カタルシスな独り言

タナトス

ごきげんよう、ひとりです。私が身体を壊したときの話。私の場合、心より先に体がガタガタと壊れていって、体が言うことを聞かなくなってきた頃から心も壊れていきました。今思えば精神的におかしくなっていたところがたくさんあったんですが、体が壊れるまで気づけませんでしたね。精神的におかしくなっていたっていうのは、例えば、毎日電車の中で涙を流したり、真剣に命を絶つことを考えたり。コロナ渦だったので、マスクの下で静かに頬を濡らしていました。会社を辞めて落ち着いてからは泣いたり死にたいと思ったりなんて一切なくて、元気になるにつれて異常だった思考回路に自分でゾッとします。

そうやって勤めていた中で、読む漫画の好みも少し偏っていました。『少年のアビス』とかまさにハマりましたね。簡単に言うとYOASOBIの『夜に駆ける』みたいな話です。閉塞感を感じながら生きる少年少女たちが死に魅せられて堕ちていく話。もともとこの漫画の作者峰浪りょう先生の『ヒメゴト』という漫画が好きだったので、少年のアビスにも手を出しちゃいました。テーマが暗いので気合を入れないとエネルギーを吸い取られそうになります。

あとは、『Papa told me』っていう榛野なな恵先生の漫画。この漫画は名言が多いです。優しい言葉が多くて、辛いときに癒されましたね。パパと娘の日常を描いた話。絵も可愛い。作中で「死にたい」って考える女の子が出てくるんですけど、それを「明日が勝手に私を連れていく、それが憎い」って表現していて、女の子の考え自体を肯定したり否定したりはしないんですよ。この話を読んだときなんか救われた気分になって、この漫画が好きになりました。ちょっとだけ主人公補正が強くて出来過ぎた話が多いから苦手な人もいるかもしれないけど、まあ主人公は小学生の女の子ですしフィクションなのでそこまで気にならなかったかな。

f:id:n_project:20240105011900j:image

 

時間薬

昨今、「反出生主義」の考えが流布している。進撃の巨人ジークが主張する考えがそうですね。生まれてこなければよかったとか、新しい命を生み出すべきではないとか。反出生主義を説いたショーペンハウアーは、死に対する恐怖から生かされているだけだと言っていました。人間はみんな、ただ死にたくないから生きているだけだと。でも、生きていることの恐怖が死に対する恐怖を超越してしまうときもある。こうして見ると反出生主義も机上の空論ですね。死生観は人それぞれだしセンシティブな話題だから何とも言えないけど、考え方ひとつで世界って結構簡単に変わるから、世界が変われるうちは生きてみてもいい気がします。

まあ本当に辛い時って考え方一つ変えるのも難しいですよね。実際私も一番辛かった時は、この先の人生にいいことなんてもうないだろうって思っていました。「本当は生きていたいのに」って意志が少しでもあるなら、あとは時間に頼ってみるのも手ですね。もちろん、出来る限り死にたくなる要因から逃げることが前提だけど。安全圏にいて時間が過ぎれば、考え方の一つくらい自然と変っていきます。もし身近に死にたがっている人がいたら、生きて欲しいっていうエゴを押し付けるのではなく、安全圏まで逃がしてあげて時間を与えるといいかもしれません。あくまで個人的な見解です。

 

 

f:id:n_project:20240105011547j:image

最後に。カタルシスとカタストロフィがよくごっちゃになります。カタルシスは溜まっていたネガティブな感情が浄化するって意味です。デトックスみたいですね。カタストロフィは悲劇的な結末って意味です。WANDSの『世界が終わるまでは』の歌詞に出てきます。アニメ版スラムダンクでみっちーがバスケしたくなるまでの数ヶ月間ずっと流れていたので、三井のテーマソングとも言われています。ちなみに歌詞はバスケ関係ありません。 

ひとりごとより。